モノづくりデザインQ&A

.そもそもデザインって何なの?

A.デザインは色や形など見た目の問題として狭くとらえられがちですが、本来の意味はもっと広く、設計・企画・構想といった意味もあります。新製品開発におけるデザイン活動にも、下の図のようなさまざまなものがあります。一口に「デザイン」と言っても、今取り組みたいのはどのデザインなのかを意識するようにしましょう。

また、①のグランドデザインが十分になされず、筋の悪いアイデアのまま先へ進んでしまうと、多大なヒト・モノ・カネ・時間が無駄になります。まずは①のグランドデザインで、勝算の描けるモノや事業のコンセプトをしっかり作り上げましょう。

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Q.新製品の“コンセプト” って何?

A.コンセプトとは、あなたがこれからつくろうとしているモノ、起こそうとしているコトの存在意義や成立要件のようなものです。もう少し具体的に言えば…

・そのモノ・コトが、一体誰にとって、なぜ必要なのか。
・それは、今までにないどんなユニークな機能を持っていたり、働きをしたりするのか。
・それは、ユーザーにどう使われるのか。
・それをあなたはどう作ったり売ったりしていくのか。

というような問いに答えることで、コンセプトを言葉で表現することができます。
これらの問いにしっかり答えられれば、それが「良いコンセプト」ということになります。簡単に言えば、「売れる・作れる・事業になる」モノ・コトのアイデアが「良いコンセプト」だと言って良いでしょう。
そして、コンセプトを実現するために、モノの部分部分はどうなっていれば良いのかというように、コンセプトを中心に置いてモノやコトのありようを整理していくことで、ブレのない開発ができるようになります。

新製品開発ではまず「作れる・売れる・事業になる」と確信できる、本質を突いたユニークなコンセプトづくりを目指しましょう。

Q.じゃあ、良いコンセプトはどう作ればいいの?

A.良いコンセプトをどこから考え始めるか、その登り口は次の5つくらいがあると考えられます。

①手持ちの商品や材料、設備、技術、人材などを生かして、それらの延長、応用、組み合わせなどを考えながら、顧客から喜ばれるどんなモノ・コトが作れそうかを考える(シーズアプローチ)
②「こんな人がこんな場面で不満を感じているから、コレが欲しがられるに違いない」と思えるモノ・コトを考える(ニーズアプローチ)
③「近い将来暮らしや社会はきっとこう変わっていくから、コレが求められるに違いない」と未来を先読みしてモノ・コトを考える(フューチャーアプローチ)
④「オレはコレが好きだ!これをどうしてもやりたいんだ!」という欲求や、「一体何なんだこの状況は!」という怒りなど、わきあがる情熱からモノ・コトを考える(パッションアプローチ)
⑤研究開発などで得られた成果を生かし、誰かが切望していた圧倒的な機能・性能を発揮できるモノ・コトをつくる(R&Dアプローチ)

つまり、自分がやりたいこと、できること、持っているモノ、強みとなる技術など(以上X)と、世の中のどんな人が何で困っているか、近い将来何を求めそうか、暮らしがどう変わっていきそうかといったこと(以上Y)を、とことん洗い出したり調べたり考えたりした上で、上の5つのアプローチも意識しながらXとYを掛け合わせて、「これはどうだろう?」と思えるアイデアのタネを無数に出したり捨てたりキープしたりつなげたりしながら、これで売れるか・作れるか・事業になるかとモンモンと考えているうちに、突然「これだ!きっとこれで行ける!売れるし作れるし良い事業になりそうだ!」と確信できる良いコンセプトの原石を掘り当てる、ということなのではないかと思います。

そしてもう一つ間違いなく言えるのは、「良いコンセプト」という大事なものは、ヒトにポンと任せておけば出してもらえるというものではなさそうだということです。

Q.デザインすると売れるようになる?

A.開発したモノが売れるモノになるかどうかは、モノの見た目の良し悪しはもちろんですが、コンセプトそのものに競争力や訴求力があるかといったことや、事業化段階でのプロモーション、販売、知財活用といった戦術の巧拙、そして何よりも作り手の「これを売れるモノにするんだ!」という思いの有無が大いに関係します。見た目のデザインはあくまで、長く売れるモノを作るという目標実現のための一手段であり、その前後には作り手の思いとたくさんの打ち手が必要になるということを理解しておきましょう。

Q.ウチの商品をブランド化したいんだけど、どうすればいいの?

A.「ブランド化」のゴールは、商品のファンやリピーターが継続的に生まれ、利益率の高い事業が長期的に継続できる状態をつくることです。そのために必要な活動は、まず顧客が喜んでくれて利益もきちんと出せる商品をつくり、その魅力や価値をきちんと伝えながら売っていったり、ライバル製品に乗り換えられないよう商品をリニューアルしたりといった活動を、長期に渡って継続していくことです。「ブランディング」や「ブランドづくり」と言うと、そのための何か特別な方法があるようにも捉えられがちですが、そうした言葉に惑わされずに、まずは顧客目線での商品開発と事業づくりに取り組みましょう。

Q.ウチの商品、おいしいけどパッケージがダサいと言われました。どうすればいい?

A.北海道内には経験豊富なパッケージデザイナーが何人もいらっしゃいます。そうした方にパッケージデザインの仕事をお願いするのが一つの手です。ただ、依頼する前に、現状のパッケージの何が良くないのか、なぜ売れないのか、なぜ前よりも売れなくなったのかなど、原因を自分なりに分析してみましょう。こうしたパッケージデザインの分析には、当場オリジナルの分析ツール(コミュニケーションデザイン支援のページ参照)もご活用頂けます。こうした分析を通じて課題を明確にしておくことで、より有効なデザインへの投資が可能になります。

Q.センスに自信がないんだけど、デザイン案をどう評価したらいいの?

A.デザイン案の良し悪しが、依頼者のセンスや好みで評価・判断されることもよくあります。もちろん依頼者がお金を払って依頼したデザインですから、依頼者の好みに合うかどうかは重要な評価の視点となって良いでしょう。しかし、顧客が喜んで買ったり使ったりしてくれるモノを作り、強い事業として継続していくことを目的とするなら、それらに加えて使いやすさや心地よさといったユーザーの視点や、作りやすさや売りやすさといった事業化の視点から評価することも大切です。このように、デザインは部分最適の視点だけでなく、顧客の喜びの実現や持続的事業化を目標とした、全体最適の視点も持って評価することを意識しましょう。

Q.すぐに絵とかアイデアだけ欲しいんだけど?

A.モノのデザインは多くの場合、まず相談者のご要望をお聞きして、目標やコンセプトなどを共有したり描き直したりした上で、解決するべき問題や課題を見抜き、それに対する解決策仮説を作ってはテストし修正するという流れで進んでいきます。相談頂いたその場で「エイッ!こんなのどうですか?」と妙案をひねり出せるわけではありません。必要な期間はデザインする対象などにより異なりますが、想定したより長くかかることがほとんどだと思いますので、できるだけ期間に余裕を持ってご相談ください。

Q.相談したらすぐに何かやってくれるの?

A.新製品開発に関連したデザインのご相談の場合、ご相談者様がイメージした当初のデザイン課題(例えば「こんなモノを作りたいのでデザイン業務を依頼したい」など)が、もっと重要な課題を捉え損ねていたり、より良い解決策がまだまだありそうに思われたり、デザイナーへ渡すには未検討の部分が多すぎたりするケースがよくあります。そのような場合、すぐにスタイリング業務には入れず、目指す目標や解決すべき本質的な問題、問題解決の方策とその優位性など、企画の根本的な部分について、まずはお話を伺いながら一緒に考えていくことが必要になります。こうした企画の立て直し業務には相応の時間と労力が必要となりますのでご理解ください。

Q.デザインをタダでやってくれるの?

A.私たちがデザイン業務そのものをお受けすることはできません。まずはご要望を伺った上で、相談者様と一緒に企画やコンセプト、開発計画をブラッシュアップしたり、解決すべき課題や考え得る解決策などを整理した上で、デザイナーなど外部専門家へおつなぎするといったご支援をさせていただきます。これらは基本的には無料です。その後、実際のデザイン業務などはデザイナー等の協力を得て進めていきますが、これにはもちろん相応の対価が必要になります。


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